起立性調節障害にお悩みの方へ夢中になれる事は今ありますか？

起立性調節障害とは、何らかの要因で自律神経の働きが悪くなる事で、起立時の身体や脳への血流が低下する症状を指します。

特に思春期の子どもさんに多い症状とも言われています。

当院でも起立性調節障害で御来院される方で共通する事としては、症状が出る数ヶ月から数日前くらいから

1. 口数が少ない・もしくは家でいつも以上に話をする。
2. 少し目がうつろな時を見かける。
3. 腹痛・頭痛が朝によく出るようになった。
4. 熱などは無いが朝に倦怠感を訴える事が増えた。
5. 今までいっぱい食べていたのに食欲が無い。
6. 友達関係の話をしたがらない。

などの不調までとは言わないが「なんだか最近疲れてそうだな？」と感じていたと親御さんが言われる事があります。

そして、多い悩みの１つが携帯ばかり触る、ゲームばっかりやってる。と言うお声を頂きます。

携帯は今では多くの人が一台ずつ持つ世の中になりました。

便利な事が増えた一方でネット・SNSでの問題も今では社会問題ともなっています。

人の目は本来空間認識の為に備わっています、わかりやすく言えば自分と物との距離感を取ったり、空間を認識する機能があります。

しかし、携帯の画面は２Dである為、奥行きの無い世界となります。

携帯を見ている際には目の動きが悪くなったり、左右の目の視力差が出てくる可能性が考えられます。

長時間PCや携帯の画面を過度に見ることは目の負担にはなります。

また、目と脳との関係は深く人は視覚からの情報が８割も占めるとも言われる為、目の酷使や様々な情報を得れる携帯の使用には検討の余地があるとも言えます。

起立性調節障害の方以外にも最近多くの時間を携帯の使用に費やしている方も多いのではないでしょうか？

携帯を見る時間を減らしなさい！言うのは簡単ですが、問題は「他にしたい事が無い・興味がわかない」と言われるケースを多く目にします。

今、夢中になれる事は今ありますか？

そう聞かれて、即答出来る方は何人いるでしょうか？

自分の趣味や探求したい事、そんな事よりも仕事や毎日の日常に追われている。

そう答えられる方も多いのではないでしょうか？

先程の携帯も使用するのが悪いのではなく「それ以上に熱中する事が見つからない」ここに問題があると思います。

YouTubeやSNSでは多くの情報を得れますし、なんなら楽しそうな動画は山ほどあります。

それを超えるものが今自分には見つからないから時間潰しの為に動画を見る。

それは少し寂しいかもしれませんね。

例えば、10歳の子どもと60歳の父親の男性がいるとします。

どちらの方が経験が多いかと言えば60歳の方ですよね。

それは、子ども・大人・社会人・親と簡単ですが、４つの過程を体験しています、しかし子どもさんは今子どもの体験真っ最中です。

「昔親に勉強しろって言われてた意味が大人になるとよく分かるんだよねー」僕自身も子どもの頃に言われてもピンと来ませんでした。

でも、今では理解出来ます。それは、僕自身が子ども・大人と体験していく中で勉強の必要性を自分で感じる経験が多くあったからです。

誰かに言われて気づく場面もあれば遅れてあーそうだったなーと気づく場合もあります。

子どもさんももしかしたら、携帯以外の興味が出るものにまだ遭遇していないだけかもしれません。

もしくは携帯を通して興味があるものが増えてくる場合もあります。

親御様はぜひ子どもの興味が出る環境作りは一度ご検討ください。

○○をやってたけど続かなかった、これは自分は興味ないな、そう思た事だとしたら何も悪い訳でもありません。

１つの事を続ける事も大切ですが、それを辞める事も１つの決断です、大切な事は「自分は色々選択できる自分」それを理解する事も１つです。

起立性調節障害と言っても原因は様々です。

１つ１つ問題を解消する為にはその問題が起こったプロセスに目を向けてあげる事も１つ重要かもしれません。

最後までお読み頂きありがとうございました。